編み物で社会課題とゆるやかにつながる『ケアマフ(認知症マフ)』

認知症マフ、ご存知ですか?

筒状のカラフルな毛糸で編まれたニット製品で、認知症の方が腕にはめて手をあたためたり、毛糸の感触やかざりをさわって楽しむことができます。
毛糸にふれることで心身の緊張がほぐれて心が穏やかになったり、マフについたかざりを見て、昔編み物をした記憶や楽しかったことを思い出すこともあります。
使う人が愛着をもてるように、その人の「好き」や「思い出」を大切にしたかざりをつけています。

施設に寄付したケアマフ(認知症マフ)

活動のきっかけ

私は学生時代に高齢者福祉を学び、デイサービスでの実習を経験しました。
そこで認知症の利用者さんが、まわりとの会話に入りづらかったり、 不安になって突然「家に帰りたい」と落ち着かなくなる場面に何度も出会いました。

そのときにケアマフがあったら「かわいいですね」「〇〇が好きなんですか?」と話のきっかけになったり、 その人が何が好きでどんな人かを知れたりすれば、利用者の方も会話を楽しめたり安心して過ごせたのではないか――そんなおもいが、活動を始めたきっかけです。

またInstagramに投稿されたとてもカラフルで、かわいいかざりのついたケアマフを純粋に「編んでみたい!」と思いました。

初めてできたケアマフをさわる最年長スタッフのきぬこおばあちゃん

BABA labさいたま工房での取り組み

2022年7月、イギリスオックスフォード大学の病院で「認知症マフ」が認知症ケアに使われているという新聞記事が紹介され、日本全国で活動が広がりはじめました。
関東では「ケアマフを編む会」が発足し、BABAlabさいたま工房ではその活動に賛同する形で、2023年6月からボランティアのみなさんと一緒にケアマフを編み、高齢者や施設へ寄付する取り組みを始めました。
(※「ケアマフを編む会」では認知症マフを「ケアマフ」とよんでいます。「ケアマフを編む会」代表はBABA白書インタビューvol.3の平田のぶこ先生です。記事はこちらから。)

「ケアマフを編む会」代表 平田のぶこ先生

この活動はBABA labスタッフだけではなく、地域の人も自由に関わってもらえるようにとワークショップ形式で行っています。 介護職や訪問看護といった専門職やご家族が認知症で…という方だけでなく、コロナ禍明けで「誰かとつながりたい」「 おしゃべりしたい」という思いを持った方など、さまざまな方が参加しています。
編み物が得意な方は「編むことで役に立てるなら」と、これまでの編み物の知識を活かし、編み手メンバーとして活動を支えてくれています。

月数回の編み会 では「自分だったらこんなケアマフがいい」「そのかざりどうやって編んだの?」など、おしゃべりも楽しみながら製作しています。経験も得意もそれぞれ違いますが、無理のない関わり方で、一緒にケアマフづくりを続けています。

地域とのつながり、学びの取り組み

工房で編み方を教えるだけでなく、ケアマフを知ってもらえるようにイベント出展やオレンジカフェ訪問など、地域の活動にも参加しています。これまでBABA labで培われた「ものづくり」と福祉がつながり、編み物を通して新しい出会いや地域との交流など広がりを感じています。

また、編み手メンバー向けに認知症サポーター養成講座を開催したり、認知症に関するイベントや講座の案内を行うなど、理解と学びの場づくりにも取り組んでいます。

 

今後の取り組み
「日常で気軽にできるボランティア」の場

ケアマフ紹介の展示に使うXmasツリーづくりをお手伝い

もっと気軽にお茶のついでに、おしゃべりしながら少し編み物のお手伝い。
そこでつくったものが誰かの役に立つ。
そんな「日常で気軽にできるボランティア」の場として、『ボランティアニットカフェ(仮)』を構想しています。
認知症の方も、子育て中の方も、シニアの方も、どんな人でも立ち寄って、少しの時間ちょっとしたお手伝いができるような仕組みをカタチにできたらと考えています。


執筆:BABA labスタッフ ケアマフ担当 横矢知里

<ケアマフ編み会情報>
編み会では、編み手ボランティアとしての参加はもちろん見学やマフの説明、マフを使いたい方へお渡しもしています。

活動情報/月数回2時間の編み会を開催
中浦和会場:BABA labさいたま工房
北浦和会場:マーブルテラス(旧イオン北浦和店そば)

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『俺たちのセカンドライフをはじめよう ワークショップイベント』BABA labホンネ会議2025